朝、左胸が痛くなったので少し横になってから出社した。また少し痛み始めたけど、それっきりだった。
昼過ぎ、今度は一気にお腹の調子が悪くなる。更に全身も。それでも厄介な仕事は増えるばかり。
嫌なことばかりという訳でもないけど、それは自分の上っ面の部分が全部吸収しているから?
山田花子の「自殺直前日記」を読み始めた。全く違う人間なのに、驚くほど似ているところがある。
いつも書いていることが二番煎じに見えて来さえする程。ただ、だからと言って、無闇な共感を覚える訳でもない。
ただ、その言葉の中から、言葉ではない何か(例えば昔唄とか)に出くわし、心の中にある何かしらの機微を感じた時、無性に
感動して涙が流れそうになる。この本を電車の中で読むのは危険だ。突如心をかき乱して涙が出そうになる。
読者からの感想の手紙が巻末に幾つか掲載されていて、少し拾い読みをした。
自分と似ていると言って共感を覚える人、笑う人、暗くて後ろ向きな言葉の数々に生理的な憤りを感じる人、様々だ。
ここでも2極化が見て取れて、同情する人は彼女を純粋で繊細だと涙ながらに絶賛し、憤る人はムカツキを露わにする。
どっちも違うと思う(勝手な感想だけど)。心が弱い人は絶対的に pure という訳ではないし、山田花子の心の暗闇には汚い部分
も沢山ある。弱いが故に…の先には、幾らでも攻撃的要素が潜むものだ。そして彼女はそれをきれい事で隠すことなく、全てを
さらけ出す。とても自分には真似できない。まあ、ただ勿論そういう共感と同情も分からなくはない。逆に、彼女のような言動
や態度にイライラして憤り治まらぬ人の気持ちも、また同じように分かる。ただ昔はそういう人の気持ちはさっぱり分からなかっ
たし、どうしようもない奴…と他人事のように思っていた。ただ自分を保ち続ける為の手段として自殺をした山田花子とは違い、
自分は生きる為に自分を否定することで何とか社会に溶け込むようになった。仕事を続け仲間を持つ代償として、自分を失った。
自分を失った結果として他人を求めるようになったが、それは望むべくもないこと。結果として、死んだも同然のまま生きなけ
ればならなくなった。ただ、自分を一旦でも捨てることで、大抵の人(それはステレオタイプによって一般化されたものかもし
れないが)他人になりきってその人の気持ちになりきることが出来るようになった。彼女のような人間を嫌悪する人の気持ちが
分かるのは自分をそういう人達にあわせた時だけだけど、そうすると対極にある彼女や自分のような人間の方こそどーしようも
なく見えるのだ。まあ、そこまでせんでも、人間なんてそういうもんだってのは分かってはいるんだけれども。お互いにどーし
ようもない人間だって見えてるんだ。一応自分はそういうこともあって、どっちがどうしようもないかなんてナンセンスなこと
を考えることはしないことにした。だから、巻末の感想文大会はちょっと嫌なモノがあった。勿論、たまに共感を感じるモノも
あったけれども。分からないが生前の山田花子ならぞっとして気味悪がると思うようなものもあったような気がする。
父親と母親、知人の言葉も載っている。父親の言葉は、染みた。母親のそれは、生前の彼女が拒否していた理由が少し分かった
ような気がした。父親の言葉のお陰で自分まで少し認められたような気になった。うちの両親ではこうはいかない。とは言え、
その父親も彼女が生きているうちにそういう心境に至らなかったのだから、自分の信条や感じ方はよっぽどのことがないと変わ
らないものだなァと思う。
彼女の死んだ理由を分からないとする人もあるし、死んで当然(奴には相応しい人生だ)と思う人もいるし、死ぬなんて弱い人間
のすることだと勘違いな説教をする人もあるし、同情して泣く人もあり、共感を覚える人もあり、良かったなァと思う人もいる。
ただ一番多いのは、ただ単にこの世に絶望して死んでいったと思う人だろう。その後に同情その他の感情があるのかもしれないが。
ただ、そんなこと誰も(本人すらも)分からないだろうけど、読んでいて何となく分かるような気になった(また勝手な…)。
多分飛び降りた時、殆ど何も考えていなかったんじゃないかって思う。特に強い絶望を感じていたとかそういうのではなかったん
だと思う。心に空虚は感じていたかもしれないけれど。分からないけど、ぼーっとしていたんじゃないだろうか。何となくビルを
登り、何となく楽になりたくて飛び降りたんじゃないかって想像する。自分の場合、いつも絶望だとか死にたいとかいう気持ちを
感じていても、実際に本気で死のうと思うことは割合少ない。その癖、ごくごく普通の日常を送りながら、しかも些細なことで
突然死ぬ!と強く思うこともある。その些細な切っ掛けは、いつもなら感じすらしない程、本当にどうでもいいことだったりする
から、ぼーっと気を抜いていると、そっちの方が危ないんじゃないかと思う。もしかしたら、そんな感じなのかなァと思った次第。
故人だからと、勝手な憶測で書きたい放題書いてしまった…。読みながら一瞬でこれだけのことを考えたんだけど、文字にすると
うまく書けなかったり、連想の順番と滅茶苦茶な文脈になったりする。文才どころか普通の人並みの才能の欠片もないな…と思う
と更に絶望感を味わえます♪
筋肉少女帯みたいに遠回りにではなく山田花子はダイレクトに言う。孤独に気が狂いそうになるけど、孤独は唯一の友達で、手放
せない。孤独から逃れようとしても、いつもまた孤独の元に帰ってしまう。安心できる自分だけの居場所。これってやっぱり引き
籠もりの才能があるってことかなぁ。本当は、別にそうしたい訳じゃないんだけど。多分。きっと。
会社帰りの電車の中でこの本を読むのは危険だと言うことが分かったから、週末に全部読んでしまおうか…。でもまだ漫画の方も
読んでないし、他にも色々と…。げに恐ろしき生への執着…か…。自分は過去において生を選んでしまった。その代償が今…
まだ昨晩から今日まで、ビデオに撮ったワールドカップの試合を見てない…。特に今日はあの大事な一戦もある…。
という訳で、ニュースはまた次回にしよう。それに、眠いし、そういう気分じゃないし…。疲れてるから今日は寝よう。
そしてまた目覚めると、朝がやって来る…。永遠に目覚めたくないのに。(でももし死ぬなら色々片付けとかないと…)
BGM: "Lithium", "Rape Me" and "All Apologies" by NIRVANA
これら3曲全て山田花子の本にぴったりな気がする…もう少し弱ければ(?)