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2003/03/15 00:05:38 今日の一言: (( また憂鬱になってきた。寝ようか…; ))
決意 むせ返るような汗臭さ。体と体とが隙間なくぶつかり合い、身動きする自由もきかない程にひしめく。 足元は泥臭く、糞のような臭いが充満している。実際、それは糞だ。皆裸のまま蠢き、排泄する。 それが前や後ろの奴にかかろうと互いに気にしない。それが当たり前なのだ。そんな中で俺達は育った。 一体こんな中で何を気にしろと言うんだ? こんな中でもただただ生きるしかない。 誰もが隣の奴が一体誰なのか、何をしているのかだなんて気にしない。 皆糞まみれで裸で、何も考えず死んだように互いにもたれながら日がな立ち尽くしているだけだ。 「豚!」 怒声が響き渡る。どうやら飯の時間のようだ。 何だか分からんが、あの声が聞こえるとその辺に飯がぶち撒かれる。俺達はそれを食って生きているという訳だ。 しかし幾ら慣れたと言っても、こう糞まみれの飯ってのは流石に鼻腔や舌にきつい。だが、食うしかあるまい。 この環境に耐えかねて遂に死ぬ奴もある。だが死臭で気分が悪くなることは滅多にない。 誰もが慣れていて日常茶飯事というのもあるが、即座にそういう奴はここから出されるからだ。 多分すぐに焼却されるんだろう。 しかしここ最近の飯は妙にそれに近い味のようだが…。味覚が麻痺しているので分からん。 そんな俺達にも転機がやってきた。檻が開けられ、外に出された。 外の空気もさほどではなかったが、これまでの場所に比べたら天国だ。 いや、もしかしたら本当に天国なのかもしれないが。 元気のない奴らを除いて俺達は運ばれ、そして片端から殺された。何ていい気分だ。 こうして俺達は地獄から開放され、俺達の居た場所なんかよりもずっと臭くて汚い口の中に運ばれて完全に消滅した。 そうして、俺達を売り捌いた奴らはその金で美味いものを食い、また俺達の仲間を増やしてるって寸法だ。 多くの仲間や後進供が同じ命運を分かち合うだろう。最後まで何も知らない方がいい。 何故俺達がああやって生かされているのかなんて知らない方がいい。その方が幾分幸せだろうから。 それにしても…俺達は何故あれ程までに劣悪な環境の中で必死に生きてきたのだろう。 立ち上がれ、今こそ。そして、生きろ。 ref) THE DAY I TRIED TO LIVE By Sound Garden |
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